たいぎゃくじけん 【大逆事件】 ○[歴]1910(明治43)社会主義者・無政府主義者に対する大弾圧 事件。 「幸徳事件」,「幸徳秋水事件」とも呼ぶ。 参照⇒あかはたじけん(赤旗事件) ◎1910. 5.(明治43)長野県明科の職工で無政府主義者宮下太吉 らを爆弾製造所持で検挙。翌月、第2次桂太郎内閣は社会主義 者が明治天皇暗殺を計画したとして、幸徳秋水(コウトク・シュウスイ)ら 全国で数百名を検挙。 大逆罪として26名を起訴、大審院特別法廷は12月〜翌年1月 非公開裁判を行い、幸徳・森近運平(モリチカ・ウンペイ)・管野(カンノ) スガ・宮下・新村忠雄・古河力作・奥平健之・大石誠之助(1867 〜1911;医師)ら24名に死刑、2名に有期刑を宣告。死刑のうち 12名は無期に減刑されたが、世界中の抗議の中で1月24日幸徳 ・宮下・森近・大石ら11名、翌日管野を処刑にする。 ◎現在では、大部分は官憲による「でっち上げ」と考えられてい る。 1961. 1.18(昭36)事件の生存者の坂本清馬は東京高裁に再審 を請求したが棄却。最高裁に対する特別抗告も1967. 7. 5(昭 和42)棄却。 ◎事件の翌年、1911. 8.21(明治44)警視庁に特別高等課が設置。 参照⇒とくべつこうとうけいさつ(特別高等警察) |