ぞうひびょう《ざうひびやう》 【象皮病】 ◇[英]elephantiasis(エレファンタイシス) ○[病]旋尾線虫目(Spirurida)旋尾線虫亜目(Spirurina)フィラ リア上科(Filarioidea)の寄生虫フィラリア(filaria)(糸状虫) の感染症。 母虫がリンパ系に寄生して、皮膚や皮下組織にリンパ液が慢 性的に鬱滞(ウッタイ)し、患部が腫脹(シュチョウ)・硬化してゾウの皮 膚のように変形する病気。 感染すると患部が発赤(ハッセキ)して発熱・悪寒(オカン)を伴って フィラリア症(filariasis)となり、慢性・重症化して象皮病に いたる。 初期治療はクエン酸ジエチルカルバマジン(diethylcarbama- zine citrate)を投与してフィラリアを駆除し、象皮が発生し たら副腎皮質ホルモン剤を投与する。 下肢、男性の陰嚢(インノウ)、女性の外陰部に多く起こる。 乳糜尿(ニュウビニョウ)・陰嚢水腫(スイシュ)を伴うこともある。 熱帯・亜熱帯地方に多く、カ(蚊)が媒介。日本ではかつて九 州の一部で風土病としてみられた。 |