ぞうせんぎごく《ざうせんぎごく》 【造船疑獄】 ○[歴]1953(昭和28)から翌年にかけての政府・与党自由党に対 する海運・造船業界の贈収賄をめぐる疑獄事件。 1954. 2.23(昭和29)衆議院は自由党副幹事長の有田二郎の汚 職容疑による逮捕許諾請求を期限付で許諾。つづいて衆議院・ 参議院で4議員の逮捕が許諾され、自由党政治家が取り調べを 受けたが、第五次吉田茂内閣の犬養健法務大臣は 4.21検事総 長に対し指揮権を発動。自由党幹事長佐藤栄作ら党幹部に対す る逮捕要求が阻まれ、捜査は打ち切られて事件の真相は解明さ れずに終った。 4.22犬養は法務大臣を辞職し、吉田内閣から民心が離れて いった。 ◎1954. 1. 5(昭和29)外航船舶建造融資利子補給法が公布され、 計画造船の割当をめぐり、海運・造船会社が政界の実力者に贈 賄したもの。 山下汽船幹部ら6名が起訴されたが捜査が不可能となり、事 件はもみ消された。 1954.12. 9(昭和29)吉田内閣、総辞職。 参照⇒しょうわでんこうじけん(昭和電工事件) |