るいせんこ 【ルイセンコ】 ◇Trofim Denisovich Lysenko(トロフィム・ルイセンコ) ○[人]ソ連の農学者(1898〜1976)。ウクライナ生れ。 キエフ農業専門学校を卒業。 オデッサの選択遺伝研究所でヤロビザーチヤ([露]yarovi- zatsiya)(春化処理)の研究から、植物の発育段階説を発表。人 為的な環境条件の変化による獲得形質が遺伝に転化するという 環境遺伝学を説き、それに基づいた播種(ハシュ)に成功。 さらに弁証法的唯物論に基づく科学としてソ連の政策に沿っ たミチューリン生物学([英]Michurinistic biology)を提唱し、 染色体によるメンデル・モーガンの遺伝子説を形而上学的理論 として批判した。また、遺伝学者バビロフ(Nikolaj Ivanovich Vavilov)らを学界から追放。 1939〜1956(昭和14〜昭和31)全ソ農業科学アカデミー総裁。 1966(昭和41)学説の矛盾や独裁的行動を批判され、失脚。 ◎ルイセンコ学説(Lysenkoism)。 |