もくたん 【木炭】 ◇[英]charcoal(チャコール) ○(1)木材を炭窯でゆっくり蒸し焼き(乾留)にして作った燃料。 製炭法により黒炭(クロズミ)と白炭(シロズミ,ハクタン)がある。 火付きがよく、炭素が80〜95%で灰も少なく煙も出さないた め、家庭燃料として利用されたが、現在は都市ガスやプロパン ガスに取って代わられた。発熱量は7千〜8千kcal/kg。 多孔質で吸着性に富み、脱色・脱臭、吸湿剤としても使用さ れる。また黒色火薬用や研磨材としても用いられる。 単に「炭(スミ)」とも呼ぶ。 〈黒炭〉 600〜800℃の中温で炭化させ、冷やした後で窯から取り出す。 比較的大きな孔が多く火付きが良く、一般に使用される。 〈白炭〉 1,000℃の高温で炭化させ、窯から出して灰をかぶせ冷却さ せる。この灰で白く見えるため白炭と呼ばれる。細かい孔が多 く、火持ちが良い。 ◎冬の季語。 ◎櫟炭:⇒くぬぎずみ(櫟炭) ナラ(楢)の木炭は火持ちが良い。 茶道(茶の湯):⇒きくずみ(菊炭),どうずみ(胴炭) 木炭自動車:⇒もくたんじどうしゃ(木炭自動車) ○(2)[美]絵画で、デッサンや下絵を描くのに用いる、細く軟 らかい炭。 朴(ホオ)・桐などで作られる。 消すときは生の食パンを用いる。 単に「炭(スミ)」とも呼ぶ。 参照⇒きりずみ(桐炭),[1]こんて(コンテ) ◎木炭画:チャコール・ドローイング(charcoal dwraing)。 木炭紙:⇒もくたんし(木炭紙) 修正:参照⇒ねりけし(練り消し) |