ざとう 【座頭】 ○(1)[古]一座の長。座頭(ザガシラ)。中世、商業・芸能などの 座の長。 ○(2)[歴]中世以降、盲人の琵琶(ビワ)法師の保護のために幕府 公認で設けられた当道座(トウドウザ)における盲官(モウカン)の一つ。 勾当(コウトウ)の下位、衆分(シュブン)の上位にあるもの。 一般の芸能人と同席して演奏する時は、必ず上座につくこと から座頭と呼ばれた。 参考⇒とうどう(当道)(3),もうかん(盲官) ○(3)[古]当道座に属する僧形(ソウギョウ)の盲人の総称。 中世には琵琶法師の通称となった。近世には琵琶・箏(ソウ)・ 三味線などを弾いて、歌曲・語り物を演じる者、按摩(アンマ)・ 鍼(ハリ)、さらには金融業を営む盲人の総称となった。 江戸時代の当道座の座頭は多額の金を保持しており、高利貸 を営なみ、その貸付金は「座頭金(ザトウガネ)」といった。 (2)の官位も事実上売買されていた。 「座頭の坊」とも呼ぶ。 ○(4)(転じて)目の不自由な人。 ○(5)[哺]ザトウクジラ(座頭鯨)の略称。 ⇒ざとうくじら(ザトウクジラ,座頭鯨) ○(6)[劇]⇒ざとうもの(座頭物) |