せいうち 【セイウチ】 【海象】 ◇[露]sivuch ○[哺]ネコ目(食肉目)(Carnivora)アシカ亜目(Pinnipedia)セ イウチ科(Odobenidae)の海生哺乳類。 北極海の沿岸や氷上に大きな群れをなして生活し、北海道に も回遊してくる。 体長3メートル余、体重は1トンに達する。雌はやや小さい。 皮膚は厚く茶灰色で、幼獣には粗毛があるが、成獣にはほとん どない。頭は丸く、耳介はない。吻(フン)(上唇)の両側に堅いひ げがある。上顎の犬歯は大きく発達し、雌で30センチメートル、 雄では50センチメートルほどの下向きの二本の巨大な牙(キバ) になる。この牙で海底の泥を掘り、貝・エビ・カニなどを捕食 する。尾短く、四肢は鰭(ヒレ)状で、先に爪(ツメ)をもつ。 1腹1子。 「海馬(カイバ)」とも呼ぶ。 参照⇒とど(トド,海馬) ◎二本の牙は「せいくる」,「水象牙(ミズゾウゲ)」と呼ばれ、象牙 の代用品となる。 ◎イヌイット(エスキモー)はセイウチを狩り、生のまま食用に するほか、皮でボートやテントを、牙で生活道具を作る。 肉は美味で、トドは不味といわれる。 同じ大型の海獣のトドとは、牙の有無で簡単に区別ができる。 |