さいおう《さいわう》 【斎王】 ○[歴]天皇の即位ごとに選定され、伊勢神宮や賀茂神社に奉仕 した未婚の内親王または女王。 天照大神(アマテラスオオミカミ)の御杖代(ミツエシロ)として大祭に仕え、 ときに託宣する。斎王の制度は『延喜式』に詳細に規定さてい る。二歳で斎王に選ばれたものもいる。 天皇即位の年に未婚の内親王・女王の中から斎王が卜定(ボク ジョウ)され、宮城内に設置されて初斎院で3年間潔斎したあと、 一年間野宮(ノノミヤ)に籠(コモ)る。 伊勢神宮に奉仕したものを「斎宮(イツキノミヤ,サイグウ)」、賀茂神社 に奉仕したものを「斎院(サイイン,イツキノイン)」と区別される。 「いつきのみこ(斎王)」,「斎内親王」,「いつき(斎)」,「みつえし ろ(御杖代)」とも呼ぶ。 参照⇒ののみや(野の宮,野宮) ◎崇徳天皇の時、豊鍬入姫命(トヨスキイリビメノミコト)(豊耜入婦命)を して大和笠縫邑に神鏡を遷祭せしめたことに始まる。 伊勢神宮へは垂仁天皇の妹倭姫命(ヤマトヒメミコト)に始まる。後醍 醐天皇の祥子内親王以後廃絶、約660年間続いた。 賀茂神社へは 810(大同 5,弘仁元)の嵯峨天皇の皇女有智子 (ウチコ)内親王に始まり、1212(建暦 2)後鳥羽天皇の皇女礼子内 親王まで35代に至る。 現在、葵祭(アオイマツリ)では京都市内の未婚の女性が斎王代(サイオ ウダイ)を務める。 |